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「Twitterが安保上の脆弱性を隠蔽」 元幹部が内部告発(写真=AP) - 日本経済新聞

内部告発したツイッター元幹部はハッカーとしても知られる=AP

【シリコンバレー=白石武志】米ツイッター元幹部が同社社内の不正行為について米当局に告発状を提出したことが23日明らかになった。元幹部は同社が国家安全保障や個人情報保護に関するセキュリティー上の深刻な脆弱性を隠蔽してきたと主張している。総額440億ドル(約6兆円)の買収をめぐる同社と米起業家イーロン・マスク氏との法廷闘争にも影響しそうだ。

内部告発したのは2022年初めにツイッターのセキュリティー責任者を解任されたピーター・ザトコ氏。同氏を支援した米非営利団体によると、7月に米証券取引委員会(SEC)や米司法省、米連邦取引委員会(FTC)などに告発状を提出した。

告発状を入手した米CNNテレビなどによると、ザトコ氏はツイッターが外国勢力によるスパイ行為などを許しかねないセキュリティー上の脆弱性を抱えているにもかかわらず、同社の最高幹部は取締役会や規制当局に誤解を招く説明をし、事実を隠蔽してきたと主張している。

ザトコ氏はアカウントを廃止したユーザーの個人情報を義務づけられた通りに削除していないなど、ツイッター社内のずさんなデータ管理の実態も暴露した。ユーザー数の増加を優先する一方で、実態のない偽アカウントの割合を意図的に低く見積もってきたとも指摘している。

マスク氏は偽アカウントの比率が全体の5%未満であるというツイッターの情報開示に疑念を示し、いったん合意した買収契約を打ち切ると表明した。偽アカウント比率の算定方法は買収契約の履行を求めて同氏を訴えたツイッターとの裁判でも焦点となっている。米メディアはマスク氏側がザトコ氏に裁判での証言を求める召喚状を出したと報じている。

ザトコ氏はハッカー名「マッジ」として知られるセキュリティーの専門家で、ツイッター前最高経営責任者(CEO)のジャック・ドーシー氏に手腕を買われて同社に入社した。21年にドーシー氏がCEOを退任してからは、後任のパラグ・アグラワルCEOと対立していたと報じられている。

ツイッターの広報担当者は日本経済新聞の取材に対し「ザトコ氏はシニアエグゼクティブとしての期待を下回るパフォーマンスとリーダーシップの欠如を理由に、22年1月に解雇された」と述べた。マスク氏との訴訟の審理を10月に控えるタイミングでザトコ氏が内部告発を行ったことについて、「この機に乗じて注目を集め、ツイッターや顧客、株主に損害を与えることを目的としているかのようだ」と批判した。

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