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住友化学、1050億円下方修正 23年3月期最終損益ゼロ - 日本経済新聞

住友化学は1日、2023年3月期の連結最終損益(国際会計基準)がゼロ(前期は1621億円の黒字)となる見通しだと発表した。従来予想から1050億円の大幅下方修正となる。中国など世界的な景気後退懸念もあるなか石油化学製品の出荷が減少。石油精製製品の市況悪化も響き、自動車部材などの材料になる合成樹脂や合成繊維原料といった「エッセンシャルケミカルズ事業」が苦戦する。

同日、オンライン会見した岩田圭一社長は業績の大幅な下方修正を受けて「スピードを上げて構造改革を進める」と強調した。そのうえで「不採算事業の撤退など新陳代謝を加速させ、市況に左右されにくい事業ポートフォリオをめざした再構築を進める」と述べた。

23年3月期の売上収益は前期比8%増の2兆9900億円、コア営業利益は同49%減の1200億円を見込み、それぞれ1900億円、700億円の下方修正となる。原材料高は製品価格が上がり増収につながる一方、輸送費やエネルギーのコストが膨らみ、利益を大きく圧迫する構図になっている。

特に落ち込みが大きかったのがエッセンシャルケミカルズ事業で、通期のコア営業損益は330億円の赤字(前期は535億円の黒字)となる見通し。石化製品の出荷減に加え、石油精製製品の市況悪化も響いた。住友化学がサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコと合弁で現地で手がける石油化学事業会社ペトロ・ラービグの業績が大幅に悪化した。

情報電子化学事業も苦戦する。新型コロナウイルス禍で増えた巣ごもり需要が一巡し、テレビなどに使うディスプレー材料の出荷が減少する。通期業績予想の大幅下方修正を受け、期末配当について従来予想の12円を「未定」に変更した。

最終損益がゼロになるのは、連結最終損益(日本基準)が510億円の赤字だった2013年3月期以来の低水準となる。13年3月期は景気低迷を背景に石化関連事業が不振だったことに加え、千葉工場(千葉県市原市)でのエチレン生産の停止を見据えて特別損失を計上した。

岩田社長はエッセンシャルケミカルズ事業について「22年が底だとは思っているが、23年も決して状況は楽観できない」と話した。

同日発表した22年4〜12月期の連結決算は、売上収益が前年同期比11%増の2兆2570億円、純利益が55%減の603億円だった。

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